6月3日、高校1年生から3年生までの生徒合計97名が、シンガポール国内に拠点を置く複数の企業を訪問しました。
この貴重な体験を通して、生徒たちは企業のリアルな姿に触れ、将来のキャリアや社会に対する視野を大きく広げることができました。
以下に、訪問企業の一部を50音順にご紹介します。
Gensler
世界最大の建築設計会社であるGensler社を訪問しました。
今回の訪問では、まずオフィスを案内していただくことから始まりました。各スペースは柔軟に利用することが可能となっており、目的に応じて仕切りをつけることができたり、デスクや椅子は特定の個人が占めるものではなく、その日や時間によって誰でもがどの席も利用できたりと、オープンな雰囲気が表れていました。また、実際に用いられるマテリアルが置かれており、写真等で見るだけではなく、素材の感触を確かめることができるようになっていました。生徒も、学校とは全く異なる空間に目を輝かせておりました。
続けて、同社の関わったプロジェクトについて、ご担当いただいた辻様の経験を交えながらご説明いただきました。顧客のニーズに合わせて、実際にどのようにやり取りをしてそれを具現化していったのかを聞きながら、生徒は真剣にメモを取っていました。
最後は、辻様自身のキャリアについてお話しいただきました。高校卒業後、アメリカに留学されたこと、そこから現在に至るまでの紆余曲折は、卒業後に日本の大学に進学して就職ことを一つのモデルとして念頭に置いている生徒たちに、新たな道筋を示すものでした。質疑応答では人生の節目における選択の際に、どのように考えて行動に移したのかを尋ねるものがありました。
学校の場を離れて企業の雰囲気を感じる貴重な機会となっただけでなく、進路選択についても学びの多い、意義のある訪問となりました。
日本航空株式会社シンガポール支店
本校の生徒が日本航空株式会社シンガポール支店を訪問しました。
4名の社員の方々より、航空業界における多様なキャリアパスについて、講演および座談会形式で貴重なお話を伺いました。
航空機の運航管理、整備、客室サービス、旅客ハンドリングといった専門分野での実体験に基づく内容に、生徒たちは大きな関心を寄せていました。
また、航空会社が航空機の運航だけでなく、ドローン事業や空飛ぶクルマ事業など新たな分野にも取り組んでいることを知り、視野が大きく広がったようです。
講演後には、機体整備工場での見学も行い、現場での整備作業を間近で体感しました。
間近で見る大きな機体の迫力に、生徒たちは圧倒されていました。
従業員を「人財」として大切にし、「安全」を共通の目標として全社一丸となって取り組む日本航空の社風も強く印象に残りました。
将来の進路を考える上で、生徒たちにとって大変有意義な学びの機会となりました。
日立アジア社
グローバルに展開する日立製作所の海外拠点の一つである「日立アジア社」を訪問しました。今回の訪問では、企業理念に基づいた働き方やオフィス環境、そして将来のキャリア形成について、多角的に学ぶことができました。
はじめに、酒井真一社長より会社概要と企業理念についてご説明いただきました。その中で、高校・大学時代の体験を交えながら、ご自身の信念や価値観についても語っていただきました。
続いて、実際にオフィスを見学させていただきました。社内は、従業員同士が自然にコラボレーションできるよう工夫された開放的なデザインとなっており、働きやすさを追求した空間づくりが印象的でした。
その後の社員との座談会では、2名の社員の方による講話が2セッションにわたって行われました。お二人はそれぞれのキャリアパスや、日々の業務で心がけている姿勢について具体的にお話くださいました。生徒たちからの質問にも一つひとつ丁寧にお答えいただき、実際に働く方々の声に触れることで、職業観や考え方を深く見つめ直す機会となりました。
訪問の後半には、日立製作所執行役常務で日立アジア社会長を兼任し、パラアイスホッケー日本代表監督も務められている中北浩仁様によるキャリア講演会が行われました。経営において重視している視点や、日米の文化的な違い、これからの時代を切り拓くために必要な姿勢について熱く語っていただきました。ご自身が信念とされている「Respect & Connect」という言葉は、生徒たちの心に深く刻まれた様子でした。
最後は、ビュッフェ形式の食事をいただきながら、社員の皆様との懇親会が行われました。会食の場では多くの質問が飛び交い、終始和やかな雰囲気の中で、貴重な交流の時間となりました。
今回の訪問を通じて、生徒たちは企業のリアルな姿を肌で感じ、自身の将来に向けての視野を広げる、大変有意義な機会を得ることができました。
三菱ケミカルグループ・Mitsubishi Chemical Methacrylates Singapore社
本校生徒20名が、初めて立ち入るジュロン島にあるMitsubishi Chemical Methacrylates Singapore社(MCMSG)を訪問しました。
当日は、温かく歓迎していただき、三菱ケミカルグループのパーパス及びビジョン、MCMSGの会社紹介、社内見学、プラントの屋外見学、そして三菱ケミカルグループでご活躍中の本校卒業生からのビデオメッセージ、キャリアセッションと、たいへん充実したプログラムを体験することができました。
今回の訪問を通して、生徒たちは多くの学びを得る貴重な機会となりました。特に、三菱ケミカルグループが掲げる、人・社会・地球の心地よさを追求する「KAITEKI」という理念の重要性や、アクリル樹脂の原料であるMMA(メチルメタクリレート)が社会で果たす役割について、深く理解を深めることができました。この経験を今後の学習や進路選択に活かしてくれることを期待しています。